ジオロックウォールダイク型
ジオロックウォールダイク型は、特殊繊維で補強した土の擁壁により落石やガケ崩れを防護する工法です。

土構造物特有の柔構造性により効率よく衝撃を吸収し落石やガケ崩れを確実に受け止める、極めて信頼性の高い防護工法です。

支持地盤に衝撃力を伝えないため、構築地盤に特別な処理が必要ありません。

そのため、様々な立地条件での設置が可能です。

壁面の緑化が可能であり周囲の景観に調和します。

他の工法と比較してもエネルギー吸収レベルでは格段に経済的です。
ジオロックウォールダイク型は、受撃体、伝達体、抵抗体の3種類の組み合わせにより、対応する衝撃エネルギーに応じて、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型の3タイプがあります。この3つのタイプを適用することにより、小規模から大規模までの落石エネルギーに対応が可能です。
小規模の落石エネルギーに対応可能なタイプ
・抵抗体で構成
・落石エネルギーの目安=500kj程度まで
<設置例>
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中規模の落石エネルギーに対応可能なタイプ
・抵抗体と受撃体で構成
・落石エネルギーの目安=1500kj程度まで
<設置例>
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大規模の落石エネルギーに対応可能なタイプ
・抵抗体と伝導体と受撃体で構成
・落石エネルギーの目安=5500kj程度まで
<設置例>
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設計
ジオロックウォールは、受撃体、伝達体、抵抗体によって構成された堤防型の複合構造物で、背面(受撃体)で落石を受け止めるものであり、衝撃吸収性に富む構造物です。落石の運動エネルギーは以下のメカニズムで吸収されます。
受撃体に衝突した落石のエネルギーは、受撃体の変形によって吸収されます。衝突の際に発生する衝撃力は受撃体内部を断面方向に分散され、伝達体に伝播されます。
伝達体では衝撃力を水平方向に高角度で分散させ、抵抗体に伝播させます。
最後の抵抗体では、伝播された衝撃力により、内部が断面方向上方に一定角度で破壊線を与えるように変形しようとするのに対し、水平方向に分散された部分の土塊とジオグリッドの抵抗によって対抗し、落石を完全に停止させます。
ダイクIII型/実物落石実験
実験製品   :   ジオロックウォールダイクⅢ型
実験方法   :   実物落石実験
実験日   :   1998年5月
実施箇所   :   富山県
落石重量   :   77kN
落下高   :   40m
ジオロックウォール(ダイク型)は、1998年に実物による落石実験が行われ、高い衝撃吸収性能が実証されました。
ダイクIII型/実物落石実験
実験製品   :   ジオロックウォールダイクI・II・III型 1/2.5モデル
実験方法   :   1/2.5モデル衝撃実験
実験日   :   2001~2002年
実施箇所   :   福井県
落石重量   :   30kN
落下高   :   4m
2000年~2001年に日本道路公団関西支店大阪技術事務所と補強土防護擁壁協会とで行われた研究では、1/2.5モデル提体の衝撃荷重特性と破壊モードなどの衝撃挙動を観測し、各部位(受撃部・伝達部・抵抗部)の効果を実験値から定量的に評価する衝撃吸収メカニズムが明らかになりました。 また、実物実験から模型実験との相似則性を導出し、設計手法の確立、施工性、経済性、景観性などの検討が総合的に行われました。
ダイクIII型/実物落石実験
実験製品   :   ジオロックウォールダイクII型
実験方法   :   実物落石・土砂崩れ衝撃実験
実験日   :   2004年11月
実施箇所   :   岐阜県
落石重量   :   20kN
落下高   :   20m
2004年に岐阜大学工学部社会基盤工学科との共同研究により、「ダイクII型」への落石と土砂崩れを想定した実物実験が行われ、高い衝撃吸収性能が実証されました。